作品紹介Works

病院 / 精神科

宇治おうばく病院

外観 : 正面に駐車場エントランスホールを整備し、開放感溢れる病院となりました。

医療法人栄仁会宇治おうばく病院では、精神科医療の新時代を目指して第七期整備計画を進めてきましたが、このたび全ての工事が終了し、グランドオープンを 迎えました。
地上8階建ての病棟・検査部門の1期棟、外来・リハビリテーション・厨房施設などを備えた2期棟、病院の顔となるエントランスホール正面駐車場など、ハードが整い、これからは益々医療の充実に力を注ぎます。

左:中央受付 木の温もりとやさしい模様の床に囲まれ、機能的なカウンターで受付します。右:ホール 木製のサッシを使用し温かな雰囲気になっています。

療養環境の充実

「プライバシー」と「安全性の確保」の両立は難しいのが現実です。 しかし、両者を充実させてこそ、療養環境の充実と言えるでしょう。 第七期整備計画では、4床室でもそれぞれのプライバシー空間を確保すること、光が降り注ぎ宇治市外を一望する食堂を設置するなど、心休まる療養環境を目指しました。
保護室は安全性と居住性を考慮し、壁には木製のフローリング材を使用しています。
安全のためベッドを造り付けた部屋もあります。
保護室内の便所には、開閉制限機能付きの引き戸を設け、患者様の症状によっては、よりプライバシーを重視します。

外来環境の新しい展望

精神科と内科の外来を、ほどよい距離をおきながらも融合させ、新たな治療環境を開きました。
内科と精神科をつなぐ廊下はギャラリー空間となり、絵画や写真の作品展示が心を休めてくれます。
光の降り注ぐ玄関ホールは、治療に訪れた患者様にリラックスを与え、診察へと導きます。
ホールには木製のサッシを使用し、病院の待合とは思えない温かな雰囲気を作っています。
診察の待合も木調の内装とし、花柄のソファや宇治の自然を題材にした診察室案内板など、心なごむ工夫をしています。

治療充実のための環境整備

リハビリテーションや給食の充実は精神科医療には欠かせません。
広々としたリハビリ空間を整備し、多様なリハビリメニューを可能にしました。
屋上の一角に庭園、運動場を設け屋外リハビリも充実します。
治療を支える重要な役割を果たすのが毎日の食事です。
機能的な厨房の完成で、より豊富なメニューの提供を可能にし、スタッフの作業環境も充実しました。
売店や理容室、喫茶ルームも新しくなりました。
患者様の治療の一環として、また療養生活を充実させる一助として利用されています。

地域に根ざした総合的な精神医療を

医療法人栄仁会では、精神科医療のみでなく、認知症医療、高齢者医療・内科医療と総合的な医療に取り組んでいます。
「地域・在宅で支える」医療を基本方針に掲げ、治療が必要な方は病院で、社会復帰や高齢化に対しては、診療所・デイケア・ デイサービス・福祉ホーム・精神障害者グループホーム・認知症高齢者グループホームなど、多様な施設が連携しています。
昨年2月からは、病院敷地内に復職トレーニング専門デイケア「バックアップセンター・きょうと」を開設しました。
地域と連携し・地域に根ざして、多様なニーズに迅速に対応していきます。

建築主
医療法人栄仁会
竣工年月
平成18年