設計コンセプトConcept
障害者
知的障害者の特性に合わせたすまいのディテール 5
<役に立つ設備>
ゆう建築設計では、知的障害者の特性に合わせてさまざまなディテールを考えています。
既製品があれば様々なメーカーの商品を比較し、知的障害者の特性に合わせて使えるディテールか使えないディテールかを考えます。使えるディテールの既製品がなかれば一から仕組みを考え、実験を重ねながら知的障害者の特性に合わせたディテールを作ります。
ここでは、ゆう建築設計で考えた様々なディテールをシリーズでご紹介します。
第5回は、役に立つ設備です。
(1)機械浴の選び方 (2)ナースコール (3)防犯設備
(1)機械浴の選び方
1. 機械浴槽
• 元々機械浴槽は高齢者や身体障害者など体が不自由な方のためにつくられており、知的障害者のために
つくられてはいない。
• 機械浴槽は多様化し、利用者の体の状 況に合わせて細分化されバリエーションが多くなっている。
■機械浴槽の選定
• ゆう設計では機械浴槽の選定にあたり、機械浴槽の機能を比較しながら検証しています。
■知的障害者施設で設置した機械浴槽の採用理由
①個粋+:長坐位が可能。リフトを収納すると普通の浴槽に見え家庭的な雰囲気となる。
②ホーミーイース: 椅子に乗って横スライド式で浴槽内へ移動できるので安心感がある。
③ジュストデビュー:座位が保持できずリクライニング車椅子を利用している方、体型の湾曲が無いが
硬縮で腰が曲げにくい方が居られる。
④天井走行リフト:チルト機能があるリフト浴でも座位が保てない方が居られる。従前の施設で利用して
いたため。リフト未使用時は普通の浴槽に見える。
①あゆみが丘 個粋+ |
②むとべ翠光園 ホーミーイース |
③みわ翠光園 ジュストデビュー |
④菜の花ホーム 天井走行リフト |
(2)ナースコール
1.呼出し装置
• 利用者が呼出し装置を使える場合、いたずらが無いか判断して設置します。
• トイレが終わった時など何か用がある場合に利用者が呼出しを利用します。
■コンセントコール
• 工事が不要で子機をコンセントに差すだけで使えます。
• いたずらが無いと判断できる利用者の部屋にのみ選択して付けることが可能。
• 呼出しはコンセントの配線と無線を使っ て親機に届きます。
• ペンダント型の親機は、スタッフが持ち運びが出来る。
ハカルプラス(株) コンセントコール |
浴室のコンセントコール |
(3)見守り設備
1.防犯対策
• 侵入された時、管理者が異常に早く気づき、迅速に対応し、速やかに各所へ通報するための仕組みが重要
となる。
■設備による対策
①異常に早く気づくための設備
• 監視カメラ、センサー
②速やかに各所へ通報連絡設備
• いたずらが無いと判断できる利用者の部屋にのみ選択して付けることが可能。
• 電話やインターネットによる警察や警備会社、近所に住む職員への通報設備
• 建物内の職員へ一斉に通報するための放送設備
①監視カメラ |
②通報連絡システム 火災の通報と侵入への対応を同一のシステムにした仕組み |