設計コンセプトConcept

病院

コストコントロールにおける設計者の役割

建材価格の動向について
建設費について
建設費に対して設計者の役割とは
設計の段階別コストへのアプローチ方法
病院の思いによって建物規模(=コスト)は異なる
病院運営で必要な適正面積を基本設計段階で検証

初期段階では、事業予算試算のために建物面積と坪単価にて建築コストを算定します。医療法や基本診療料の施設基準により、病室面積や廊下幅が決まります。病棟計画を行う場合、医療法の病床区分により1床あたり6.4㎡(内法面積)以上と決まっていますが、療養環境加算を算定するためには、1床あたり平均8.0㎡(内法面積)以上が必要になります。
病室面積を8㎡と6.4㎡でモデルプランを作成し検証(図:加算に有無による病棟比較)すると25.77坪の差が生まれます。3病棟あれば77.31坪になり、坪単価135万で建設すると仮定した場合、約1億の差額となります。ですが、病棟では病室面積が減っても現実は照明器具や空調設備、衛生器具等の数量は大幅な変更は発生しません。建築工事のなかで大きな割合となる躯体費や内装面積の減等を考慮した場合約20%~30%の減額になると想定されます。
20%だと約2000万円の減額、30%だと約3000万円の減額です。病棟以外の諸室についても機能的に必要な面積を適切に計画し、各病院の運営で必要な適正面積を基本設計段階で計画を行い、床面積を抑えることが建築費削減の重要なポイントです。

病棟の適正規模を考える