設計コンセプトConcept
病院
災害に強い施設づくり 防災・安全対策
医療施設では、患者さまの安全を守るために建物が壊れないための対策と治療行為を継続させるための対策が必要となります。施設の規模や地域性により、対応すべき条件は異なりますが、必要な震災(非常時)対策の項目としては大きく「構造」「電気」「水」「熱源」があります。
■建物の耐震設計基準の変遷
地震大国と言われる日本では、地震に対する対策は古くから対応されてきました。建築基準法の構造基準も地震が発生するごとに見直しを繰り返し、近年では、「耐震改修促進法」が制定され古い建物の耐震性についても耐震化が義務付けられました。 1995年(平成7年)1月に発生した阪神淡路大震災以降、耐震対策の関心が高まっていますが、2004年新潟県中越地震、2011年東日本大震災、2016年熊本地震と頻繁におこる地震に対する検討は、基本計画段階でおこなうことが重要です。
■壊れない建物をつくる
設計基準強度を高く設定する、免震構造を採用するなどの対策があります。
■電気の確保(非常用発電機)どの燃料で電気をつくるか?
「油だき」または「ガスだき」の非常用発電機があります。地域性、総容量、利用条件等に基づいて仕様を検討する必要があります。
■水の確保
受水層を設置している病院がほとんどですが、どの程度水を貯めるかが災害時の水の使用制限に関係します。井水を活用することのできる地域もありますが、水質が設備機器に悪影響を及ぼさないよう、水質検査を行う必要があります。
■熱源の確保
ガス中圧管の採用