作品紹介Works
病院 / 透析
横浜じんせい病院
概要
同法人の県内の4施設の外来透析クリニックの透析患者様のために必要な入院施設。透析40床(+個室1床)、病棟50床(医療療養病床)の透析病院です。病院計画と並行して、将来的に病棟をサービス付高齢者向け住宅にも転換可能な平面計画としています。高齢化する透析患者の長期療養型の病院として、利用してもらえる療養空間、透析患者様の入院透析と外来通院透析をうまく振り分けできる平面計画と感染対策に十分に配慮した透析室計画としました。
立地条件
神奈川県横浜市地下鉄の駅近の敷地。前面道路がバス通りのため、バス停の位置も計画の中で移動させることで、来院される患者様が快適に通院できる建物配置を検討しました。
無柱透析室
○透析室では、上部層の医療療養病棟からの入院透析患者と外来通院透析を間口一杯のガラススクリーンによって視界を妨げることなく分割し、柱による死角をなくした無柱空間とすることで、見通しの良い計画としました。
○大きなガラススクリーンの透析室へは、透析待合から2つの出入口により、感染対策として別ルートでガラススクリーンに囲まれた透析ベッドまで行けるルートを確保しました。
○透析室には、他にも単独の隔離個室も設けています。
超低風速のゆう設計空調を採用することで、夏場の冷暖房の不満を解消。照明は、各透析のシマで、やわらかい光の間接照明を用いて、長時間の透析治療を快適に受けられる照明計画としています。
施設全体のコンセプト
○病院の1階には、外来、検査部門だけでなく、透析患者様に週3日の透析治療以外の日に元気に透析治療を受けて頂き、運動も行ってもらえるように透析リハビリのための明るいリハビリ室を計画しました。このリハビリ室では、自宅で入浴ができない高齢の患者様、車椅子の患者様のために病院送迎サービスを行うことで、デイケア(通所リハビリ)も利用可能としました。
○東日本大震災で計画停電を余儀なくされ、透析時間を必死で調整して患者様に透析を受けてもらえる環境を整えた経験から、今回は、自家発電設備を設けました。地震による停電に対する透析施設の非常時対応の為の設備として、神奈川県から透析医療機関への自家発電(補助オイルタンク含む)補助を受けることにより、非常時の停電に左右されることなく、透析患者様に安心して透析治療を受けて頂ける環境を整備しました。
○一年を通して、常に花を楽しめる敷地内の植栽計画。
各フロア構成
5F:食堂・談話室、管理部門、屋上広場
4F:病棟:医療療養病床:22床(内特別個室2室+ゆったり4床室)、食堂・談話室
3F:病棟:医療療養病床:28床(4床室、2床室)、食堂・談話室
2F:透析室:40床(+隔離個室1室)
1F:エントランス、外来・検査、リハビリ室(デイケアとして利用)
明るい1階EVホール
エントランスホール : 外来待合と通院透析病棟への動線を振り分けて計画しました
ゆったりとした透析待合
4階スタッフステーション
3階4床室
・全体病院計画で、各フロアごとのサインカラーを設定してコーディネートしました。 ・2層の病棟でも、フロアごとに木目調色、フロアカラーを異なるものとし、判別しやすい計画としました。
4階特別個室
落ち着いた木目調の個室空間。枕元の医療ガス、コンセントなどが目立たないよう造作化粧BOXにより医療ガスアウトレット、 電気・アンテナ配線等が目立たないデザイン。
- 建築主
- 医療法人社団 厚済会
- 所在地
- 神奈川県横浜市
- 用途
- 透析病院
- 構造
- 鉄筋コンクリート造、一部鉄骨造
- 階数
- 地上5階
- 敷地面積
- 1344.74㎡
- 延床面積
- 2,689.33㎡
- 竣工年月
- 平成27年2月
- 担当者
- 河津孝治 , 山崎慎二