作品紹介Works

障害者

社会福祉法人 北毛清流会 障害者生活支援センター はーもにー

知的障害者のための自立支援の場

社会福祉法人北毛清流会は、群馬県北部の利根・沼田地区に、知的障害者のために、自立支援の場を提供することを目的として設立された法人です。 本計画は、以前から地域に求められてきた「障害者の在宅生活の支援事業」として、障害のある方の重度化・高齢化、「親亡き後」を見据え、誰もが住み慣れた地域で自分らしい暮らしができるように、計画された事業所です。また、障害をもつ子と介護保険利用の親も一緒に通所できる共生型事業を提供することによって、この地域でより安心した生活を送ることに寄与する事業所です。

1. 障害者の在宅生活の継続的な支援

 〇 生活介護    (定員20名)
 〇 ショートステイ (定員 6名)
 〇 災害時避難所  (定員30名) 

2. 在宅重度障害者の特性にあわせた、
            生活介護とショートステイ

 〇 生活介護:日中作業室(活動スペース)
   生活介護は、作業を中心に取り組むグループと余暇中心の
   グループ2つの活動スペースがあります。
   ここでは生活する上で必要な支援の他に、歩行や軽体操、
   レクリエーション、定期的な健康チェックを行います。
 〇 ショートステイ
   在宅障害者を介護されている方の病気や冠婚葬祭、介護
   疲れ、旅行などの理由により、自宅での介護が一時的に
   困難になった場合のレスパイト対応として利用できます。

日中作業室:創作活動・軽微作業

3. 生活介護とショートステイの
           時間による部屋の使い分け


  〇 生活介護事業所とショートステイエリアを同じ空間に
    併設した計画とし、朝~夕方、夕方~朝の時間帯を
    可動間仕切壁によってフレキシブルにエリア調整が
    できる計画としました。
    この計画により、夕方~朝の時間帯はショートステイ
    利用者用の浴室及び食堂・談話室(生活介護エリアの
    一部)として利用し、朝~夕方の時間帯は、地域の在
    宅重度障害者の入浴希望者へ浴室を提供できることで、
    福祉サービス向上につながりました。

1階平面図

ショートステイ

 〇 エントランスホール
   
   朝夕の通所、退所時には様々な特性をもった利用者が想定
   されるため、履き替えスペースは余裕を持った広さを確保
   し、温かみを感じる木質系内装デザインとしました。  

朝夕のエントランス履替えスペース

4. 重度特性に合わせたショートステイの居室

ショートステイの各居室(6室)は、精神障害や強度行動障害の方の利用も想定し、他からの刺激を低減する配慮や、壊れにくさを考慮した建築的工夫を試みました。支援員室から各室を見守りしやすいレイアウト計画としました。

1階平面図 ショートステイエリア

様々な特性への対応を想定したショートステイ居室

5. 災害時避難所併設

可動間仕切り壁を開放することによって、スペースを拡張でき、災害時避難所(3日分の食料備蓄倉庫付)として利用できる多目的室を2階に計画しました。 平常時は隣室のスヌーズレン室と関連づけた感覚統合療育のための多目的室として利用しますが、災害時には自宅以外での生活を余儀なくされた在宅障害者とその家族の一時的な生活の場として提供されます。

※感覚統合等の作業や 講義室として利用できる多目的室                                                           
※災害時避難場所として利用の際、調光照明により避難時の照度調整が可能となっている                                

建築主
社会福祉法人 北毛清流会
所在地
群馬県沼田市
用途
生活介護事業所・ショートステイ
構造
鉄骨造
階数
地上2階
敷地面積
1153㎡
建築面積
595㎡
延床面積
1017㎡
竣工年月
2020年7月
担当者
河津孝治 , 矢木智之