作品紹介Works
病院 / 透析
医療法人若葉会 明石回生病院 透析棟増築
明石回生病院では、2014年に新築した際に14床だった透析ベッドを38床の透析室に拡張しましたが、近隣透析患者の評判がよく、建替えから5年で外来透析患者の需要がさらに増えてきたため、敷地内に透析棟(20ベッド)を増築しました。地域的に車の利用者が多いため駐車場はできるだけ減少させないように2階に接続をする計画としました。
■ 本館からの動線を考慮しながらも独立性の高い「新・人工透析棟」
増築棟は、本館透析患者待合から渡り廊下で接続する計画としました。本館はこれまでの利用者さんと入院患者さん、新館は外来で身体状態が比較的よい患者さんの利用として運用を開始されました。増築棟には、外来透析患者さん専用のエレベーターと階段を設置し、本館受付を経由しないで利用することが可能となっています。本館透析室を利用される患者さんも増築棟からの利用が可能となりました。 本館の透析室でも採用している患者にやさしい低風速な「ゆう設計空調」を採用するとともに、今回の新人工透析棟ではプライバシーに配慮し、ベッドの3方に高さ1.6Mの間仕切りを設ける計画としました。 本館透析室は、大部屋でしたが、増築棟はベッド間の間仕切りを設けた計画としたので、落ち着いた木調を基調とした内装としています。 外来患者専用棟として運用されることから、大部屋透析よりもプライバシーに配慮するとともに落ち着いた環境にするために間接照明を採用しました。工事期間中に発生した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に伴い、増築棟では、HEPAフィルタ付の循環換気・強制排気設備(各6か所)を追加設置されています。
■ 外来患者動線と駐車場を稼動させながらの工事
増築を計画する場所を①本館の運営にできる限り支障をきたさない場所、②本館透析患者さんや透析担当スタッフの動線に配慮した場所、③来客用駐車場を継続利用可能な計画とする。いくつかの検討事項をクリアすることが条件となりました。外来一般患者動線、車両動線、駐輪・駐車場動線を継続利用しながらの増築工事となり、かつ増築後はできる限り駐車台数を確保されたいとの要望に配慮して増築棟の配置と構造方式を検討しました。 既存改修を最小限にするために、接続部分は本館透析待合スペースからとし、隣地との離隔がわずかな中で必要廊下幅を確保するために渡り廊下は鉄骨造(耐火塗料)を採用しました。
本館エントランス・車寄せ / 渡り廊下接続部(歩行者用歩廊)
- 建築主
- 医療法人若葉会
- 所在地
- 兵庫県明石市
- 用途
- 病院 (本館155床・透析38ベッド)
透析棟:20床増築
- 構造
- 増築部:鉄骨造
- 階数
- 増築部:2階建
- 敷地面積
- 7,252.29㎡
- 建築面積
- 増築部分:540.39㎡
(本館:2,191.96㎡)
- 延床面積
- 増築部分:978.76㎡
(本館:7,329.18㎡)
- 竣工年月
- 2020年3月
- 担当者
- 相本正浩 , 今津恵美