作品紹介：まつもと皮膚科クリニック（増改築）

作品紹介Works

診療所

まつもと皮膚科クリニック（増改築）

左側：第一期工事　右奥：第二期工事　右手前：第三期工事

設計の背景・概要

2012年、京都府福知山市に皮膚科クリニックを開設するため計画されました。院長先生から「お一人おひとりの患者様と丁寧に向き合いたい」という想いを伝えていただき、患者様の動線、診察がスムーズに行えるためのレイアウトを実現しました。開業から一年後の2015年には第二期計画として、地域の「お肌のホームドクター」として保険診療の充実、美容皮膚科の増設を計画され、自由診療・スタッフエリアの増築を行いました。そして2021年、増加する患者様がより診察と向き合える空間づくりをめざし、第三期計画となる増改築工事を行いました。増築クリニック棟では、痩身機器を導入した診察室及び、既存の診察室６診の診察状況に柔軟に対応する処置室３室を増診し、多様な患者様のニーズに応えることができる計画としています。

第一期計画

第一期計画では、保険診療である３診をもったクリニックを計画しました。皮膚科という診療科目から、紫外線の影響を受けにくいよう窓の大きさは抑えながら、内部はやわらかさのある雰囲気としました。保険診療待合スペースは第三期計画のリニューアルに合わせて、内部の壁・天井の再塗装を行い、新たな心持ちで患者様をお迎えできる空間づくりを目指しました。

診察室

保険診療　待合スペース　間接照明で柔らかな風合いに

第二期計画

第二期計画では、「患者様ファースト」をコンセプトに、より患者様にとって診察に向き合える空間づくりをしました。保険診療部門では、京都府北部唯一の赤あざ治療機器の導入し診察内容の充実を図りました。自由診療簿門では、美容皮膚科として、患者様がご自身へのご褒美として来院される気持ちに応えられるような空間になっています。また、クリニックで働くスタッフの方々の笑顔が大切だと考え、第一期工事では十分でなかったスタッフスペースの再構成を行っています。クリニックを支えるチーフ・スタッフの方々からご意見を反映し、より働きやすく、情報伝達が確実に行えるスペースづくりを目指しました。患者様の増加とともに、スムーズな診療を提供するために課題であった医師・スタッフ間の連携、情報共有の方法について検討を重ねました。特に就労環境の改善するため、スタッフスペースの拡充し、スタッフ同士のコミュニケーションが図れるプランとしました。

また、当初の保険診療部分の充実とともに、要望が大きくなってきた自由診療部分を新設することとなりました。美容と癒しを求める患者様にとって特別な時間を過ごせるような空間をめざしました。

リフレッシュできるスタッフスペース　ミーティングも行うことができる

自由診療の待合スペース　1期工事部分とはまったく雰囲気を変えるものとした

第二期工事で新設された診察室

パウダールーム

第三期計画

第三期計画では、これまでと同様、「患者様ファースト」をコンセプトに、多様化する患者様のニーズにこたえるべく、前問診スペースを設けるとともに、痩身機器を導入した診察室及び、既存の診察室６診の診察状況に柔軟に対応する処置室３室を増診しました。また、昨今の感染状況を勘案し、換気回数の見直し・通院時・帰院時の手洗い場所の整備を行いました。クリニック内部はゴールド・シルバー・水色のクロスで華やかで明るい治療空間づくりを目指しました。診察・処置室の照明は手暗がりとならないよう調光式のダウンライト、スクエア照明を組み合わせ、十分な照度を確保した計画としました。また、スタッフ用カウンターの高さは90㎝とし、立った状態で作業を行いやすい高さ設定としました。

待合スペース

痩身機器の導入を想定した新診察室

処置室　カーテンにより３室に間仕切ることができる

外観・外構計画

外観は、当初のクリニックのイメージを保てるよう、同じ材料・デザインモチーフを使用するとともに、既存部分と増築部分に同種類の石調タイルを貼ることで建物全体の外観デザインとの調和を図っています。また、第三期計画で増築したクリニック棟には、外壁タイルとの調和を図りながら車の寄り付けを防止する車止めを設けています。また、建物に文字サインは設けず、建物全体でクリニックの存在感を表現できる外構照明としました。来院されるお子様や、不安を抱える患者様の気持ちをやわらぎ、働く人にも、患者様にも優しいクリニックとなることを願っています。

手洗い器を増設したクリニックアプローチ

建築主: 医療法人翠光会

所在地: 京都府福知山市

用途: 診療所（一般皮膚科　形成外科　美容皮膚科）+個人住宅

構造: 鉄骨造+木造

階数: 地上2階

敷地面積: 1242.76㎡

延床面積: 614.40㎡

竣工年月: 令和3年10月

担当者: 砂山憲一 , 岩﨑直子 , 中嶋友美

一覧に戻る