作品紹介Works

病院

医療法人 匡慈会 伏虎リハビリテーション病院

建物南東面CG

概要

計画地は和歌山県和歌山市の中心部に位置し、和歌山駅からも徒歩圏内である利便性の高い場所です。
既存の病院はこの地で50年近くにわたり運営されてきましたが、建物の老朽化が進み、改修を繰り返しながら使い続けているような状況でした。そんな中、既存病院からほど近い場所に計画地を取得することができ、計画をスタートすることとなりました。

外観デザイン

計画地周辺は飲食店街となっており、デザイン的に印象の強い建物や看板が点在する地域です。計画建物はリハビリを中心とした療養型の施設であり、また今後美肌外来なども取り組もうと考えられており、柔らかさと清潔感がありながら周辺の環境に埋没しないシンボリックな建物を目指して計画を行いました。

全体構成・平面計画

伏虎リハビリテーション病院は
1階:外来部門、検査部門、リハビリ部門
2階:地域包括ケア病棟 36床
3階:医療療養病棟 31床、介護医療院 12床
4階:厨房、事務部門
という構成の建物です。
計画地が比較的複雑な形状をしており、建物も敷地の形状に沿う形になっているのですが、部門ごとの関係性を考慮しながら各室を配置することで、複雑な形状でも使い勝手の良い計画となっています。また敷地の3面が道路に面していることを利用し、各面に利用者・救急・業者等搬出入などの専用の出入口を設けるなど、敷地の特性を活かした計画となっています。

フロア構成図

外来・医事課 機器プロット図

コンパクトでありながら使い勝手の良い建物

近年の建設価格高騰は、医療施設の計画にも深刻な影響を与えています。ゆう設計の近年の事例でも建設コストの圧縮は重要な課題となっており、各種建材や設備の仕様に関してグレードごとにコストを整理し、優先順位をつけて選択していくなど様々な工夫を試み、建設コストの圧縮を実行しているのですが、その中でも最も効果的と言えるのが建物面積の圧縮です。しかし、古くなった既存建物の機能改善を求めて新しい建物を計画したのに、面積を意識するがあまり、狭すぎて使い勝手の悪い建物を作っても意味がありません。この計画では既存建物の調査を徹底的に行い、面積的に現状でも十分なのか、または現状よりどれぐらい広げることで機能的に改善するのかを検証しました。その内容を左記のような詳細な機器プロット図として計画建物に落とし込むことで、寸法や面積の数字で漠然と広さを決めるのではなく、スタッフの方々の理解も得ながら各部門の適切な面積を確認することができ、結果的にコンパクトでありながら使い勝手の良い建物の計画を実現しています。

建築主
医療法人匡慈会
所在地
和歌山県和歌山市
用途
病院
構造
鉄骨造
階数
地上4階
敷地面積
2,097.21㎡
建築面積
1,202.09㎡
延床面積
3,672.08㎡
竣工年月
2024年1月
担当者
相本正浩 , 丸川景子