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透析 / 診療所

東京透析フロンティア 王子駅前クリニック

計画概要

東京都北区にある透析クリニックの計画です。駅からすぐのテナントビルなので働かれている方や沿線から電車で通われている患者が多いクリニックです。東京透析フロンティアグループは多くの透析クリニックを展開されており、王子駅前クリニックがグループとして4軒目のクリニックです。

大部屋透析室

大部屋透析室

大部屋透析室

天井の高さが低いテナントでしたが、透析排水の中和装置をビル側協議して1階に設置させてもらうことで、二重床の高さを最小限に抑えています。
それでも最低限の天井高さしか確保できないので、天井は特徴的なデザインにしています。 極細のライン照明を連続させることで方向性を生み出して、照明に合わせて壁紙をグラデーションに貼り分けることで、圧迫感を低減しています。
また窓面が大きいので、窓際にベッドを配置しないレイアウトにしています。窓からの冷気対策を行うことで患者の過ごしやすい透析室にしています。


ランニングコストの削減

ランニングコストの削減のために透析排液熱回収装置を導入しています。これはRO装置に入れる前の原水を透析排液と熱交換で昇温させる装置です。原水を昇温させてからRO装置に入れるので、RO装置のヒーターの消費電力を抑えることができます。
イニシャルコストとして、透析排液を回収する配管の保温材と透析排液熱回収装置からRO装置までの配管分の費用があがります。
しかしイニシャルコストとランニングコストの比較を行い導入を決定しています。 原水温度などの変動がありますが、通年でヒーターの消費電力の20%以上の節電することができます。

準個室

透析室の奥まったスペースを準個室エリアにしました。スタッフステーションから離れたエリアも患者の見守りをカメラで行う準個室を配置することで解決しています。
またスタッフエリアからのも大部屋透析ではなく、準個室エリアに接するように配置することでスタッフが出入りしやすようにゾーニング計画を行っています。






感染対策と患者の安心

クリニックの入り口すぐの受付に患者用の手洗いを設置しました。受付のスタッフが来院者の対応をすると同時に手洗いを催促できるようにすることで、清潔の徹底がしやすいようにして、患者の安心にもつながるように配慮しています。 患者の手洗いを入口の一か所にまとめることで、水廻りの清掃など衛生管理なども行いやすくしています。
またスタッフ・物品動線はクリニック入り口からすぐに動線を分けています。発熱患者の動線も兼用して、他の患者と分けることができるようにしています。

準個室エリア(突き当りがスタッフエリアの出入口の扉)

エントランス(手洗いを一体で取り付けた受付カウンター)

建築主
医療法人社団frontier.MED
所在地
東京都北区
用途
無床診療所(透析)
階数
2階
竣工年月
2023年3月
テナント面積
506.40㎡
透析ベッド数
大部屋33床+準個室5床
担当者
山崎慎二